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【コラム⑦】慢性疼痛と睡眠

慢性疼痛という言葉のことをご存じですか?

ぶつけたとかひねったとかのけがは、痛めた部位が治ったら痛みは引きますよね。

でも、腰痛とか肩こりだとかは、痛みが慢性的に続きます。

3か月以上続く痛みの場合、慢性疼痛といえると思います。

今回は慢性疼痛と睡眠の関係について、お話していきたいと思います。

慢性疼痛とは

厚労省のホームページによると、慢性疼痛は「治癒に予測される時間を超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関連する痛み」と定義されています。

わかりにくいですね。

文字のままなんですが、時間が必要以上にかかるもので、あとは、がんによる痛みではないものというのが慢性疼痛の定義となっています。

がんって結構いたかったりするんですよね。

僕はなったことがないからわかりませんけど、がんになった患者さんの看取りにかかわったことはあります。

だるさとか体の痛みとかを訴える方が多いんですよね。

まあ、それはがんによるものなので慢性疼痛とはなりません。

定義の通りに考えると、時間がかかっているがん以外の痛みはほとんど慢性疼痛といえるようですね。

慢性疼痛の治療

痛みの治療として考えられるのは、薬ですよね。

痛みに対する薬は本当にたくさんあります。

お年寄りの飲んでいる薬を確認したら、一つは入っているんじゃないかというほどよく見ますね。

NSAIDsからはじまって、オピオイド鎮痛薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗けいれん薬、漢方やステロイド。

本当にたくさんの薬があります。

薬の働きは、薬によって異なるのですが、炎症を抑える薬から神経の伝達に影響を与える薬など、症状に応じて処方されるものがほとんどです。

今までは、薬が治療の周流だったんですが、近年ではその流れも変わりつつあるみたいです。

ICD-11というものがありまして、これは国際疾病分類の第11改訂というものなんですが、世界保健機構(WHO)が国際的な診断分類として出しているものです。

病気や痛みのことも、医学が進歩すれば新しいことが分かりますし、生活のあり方も変わりますので、たびたび改定されているわけですね。

ちなみに、ICD-11の改定は2019年です。

ゲーム症やゲーム障害という項目が追加されたり、性同一障害が削除されたりと時代の流れをくみ取っていますね。

さらに、ICD-11のなかでは、エクササイズについての効果について解説されています。

適度な運動が慢性疼痛に対して効果があるということが認められつつあるということですね。

近年、オピオイドの使用が依存性があるということで問題になっているのも背景にありそうです。

整体院が通わせようとしてくるから、嫌、というような意見を聞くことがありますが、薬にも注意が必要ですよ。

なんとなく飲んでいるうちに、依存症になっちゃうなんて怖いですよね。

整体にはいくら通っても依存症にはならないんじゃないですかね。

行きたいとは思うかもしれませんが。

痛みが続くと起こること

体の症状で一番気になる症状は何ですか?

というような調査をしたところ、「腰痛」が圧倒的に多かったそうです。

鼻炎とかよりも、腰痛が男女ともに圧倒的に多かったそうです。

痛みが続くことで、仕事ができないという状態になる人もいなくはないんですが、それよりも、仕事はできるけれどもパフォーマンスに影響が出ているという人が、めっちゃ多かったそうです。

会社にとってその損失ってかなり大きいみたいです。

腰痛による経済損失が3兆年なんて調査もあるそうです。

痛みがあるとちょっと動くのもおっくうになりますし、仕事にも集中できないですしね。

痛みが続いていると、もちろん生活面にも影響が出てきます。

仕事に集中できないだけではなく、前は楽しんでいた趣味なんかにも関心が持てなくなったり、出かけるのがおっくになったりと、体にとって良くないループに陥ってしまいがちです。

生活だけではなく、体の中にも変化が起きてきます。

人の体には、痛みを感知するだけではなく、痛みを抑制する機能もあるんですよ。

痛みを抑制する物質の分泌が悪くなったり、あとは、神経が変化して痛みを拾いやすくなったりしてしまいます。

周りの人に取っては何んとないことが、自分だけはしんどいとかっていうのは、体の中、とりわけ脳などの神経の影響も考えられるということですね。

また、慢性疼痛の方は睡眠障害も併発することが多いといわれています。

疼痛の強度と睡眠障害は相互に関連しあっているという統計のデータも出ています。

慢性疼痛と睡眠

先ほどの研究では、相互に関連しているという結果が出ているのでどっちが先かとは言えませんが、睡眠が疼痛に影響しているのは間違いがないでしょう。

それに加えて、うつといった心の影響も指摘されています。

それぞれが独立しているのではなくて、痛みが続くと心は落ち込んできますし、ぐっすりと眠ることも難しいですよね。

逆に言えば、しっかりと眠れる状態を作り出すことが、痛みを続かせないために重要なことだともいえると思うんですよね。

そのためにどうすればいいのかというのは、ほかの記事でも解説していきたいのですが、運動が大切ということは間違いがないようです。

エクササイズを習慣に

腰痛が多いのは、田舎で腰を曲げながら農作業をしているおばあちゃん、ではなく、都会でデスクワークで、管理職をしている人に多いそうです。

ドキッとした人もいるんじゃないですか?

年齢は30台から40代の働き盛りの方が多かったみたいです。

体を動かさない人に多いんですよね。

それは、体を動かすことが、痛みをコントロールするうえで重要な役割を持ているからです。

体を動かすといっても、そんなハードな運動である必要はないんですよ。

意外かもしれませんが、深呼吸だって立派な運動なんです。

呼吸をすることで、息を吸う筋肉が働きます。

ここで大事なのは、運動によって筋肉を膨らませることではなくて、体を動かすことで脳をしっかりと働かせられることが大事なんです。

そう考えると、結構ハードル下がりませんか?

ヨガとか太極拳は結構おススメです。

とっかかりやすさを考えるのであれば、ラジオ体操なんかもいいんじゃないですかね?

別のデータだと、体を実際に動かさなくても、自分が動くイメージをするだけでも効果があるみたいです。

この辺の研究から、筋肉を膨らませることよりも、脳をしっかりと働かせることに意味があるっていうことがわかるんじゃないでしょうか。

日常的に体を動かす習慣を身に着けていきたいですよね。

それが、いい睡眠にも痛みのコントロールにも間違いなくつながります。

ちょっと動いたくらいで、痛みがすぐに悪化することもないでしょうから、積極的に運動を取り入れていきましょう。

今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

小田桐 峻輔

小田桐 峻輔

理学療法士。日本理学療法士協会所属。 楽眠整体両国。病院、施設、在宅を経験し、眠りに悩みを抱える人が多いと感じる。身体と眠りの最適化をコンセプトにしている。

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