正しいとされる座り方
正とされている座り方は、体幹や下半身の筋肉をしっかりとつかえている状態の姿勢です。
背筋を伸ばして、首の上に頭がきて、肩の力が抜けていてというような、形にこだわるのはあまり本質的ではないと考えています。
なぜなら、それに寄せようとすればするほど、余計な部分に力が入ってしまう人が多いからです。
では、どのような姿勢がベストかといいますと、
「立って!」と声をかけられて、すぐに立てる状態であれば基本的にいい状態であると考えてください。
この姿勢をどのようつくるかというと、ゆっくりと椅子に座っていきます。
そして、おしりが椅子の前半分に乗せ、体をまっすぐに起こしてください。
この状態なら、すぐにでも立つことができますよね。
この状態が、体にとって良い座り姿勢です。
人間の体に合わない座位
この状態は当然ですが、疲れます。
しかし、座り姿勢の問題点を解決してくれる座り方でもあります。
そもそもですが、座り姿勢は体によくありません。
姿勢が悪いとか云々の前に、そもそも座っていること自体が体に悪いです。
オーストラリアで行われた研究1)では、
25歳以降の人は1時間座ってテレビを見ることにより、平均寿命が21.8分短くなるというような報告もされています。
座っていることによる血流の悪化が悪影響を及ぼしていると考えられています。
デスクワークのベストな姿勢
それでは、どのようにして体にいい状態で、デスクワークを行うことができるのでしょうか?
おすすめなのは、立ってデスクワークをすることです。
徐々に広まってきていますが、スタンディングデスクを導入している会社も増えてきています。
立っている姿勢は、下肢や体幹の筋力を発揮します。
立ちっぱなしでいると足が疲れてくるので、左右に体重を移動させたりと、なんだかんだで体を動かすようになっていきます。
ずっと立っているのがつらい場合は、片足を台にのせたり、高めの椅子に半分だけ腰掛けるなど、姿勢を変えながら作業することがおすすめです。
スタンディングデスクが無いという人は、デスクの上に箱や本など積んで作業しやすい環境を整えてみてはいかがでしょうか?
自宅で作業する際は、キッチンなどもちょうどいい高さになっているのでお勧めです。
座るとしたらどう座るのがいい
座っているよりも、立っているほうが体にいいということはわかっていても、環境的に難しいということもありますよね。
会社の研修で、スタンディングデスクでの仕事を推奨されていなければ、周囲の目もありなかなか実行には至らないと思います。
それでは、座って作業する場合はどのように座るのがいいでしょうか?
ベストなのは、一番最初に確認した方法です。
ゆっくりと椅子に腰かけた時の姿勢がベストです。
そのまま、おなかに力が入ったまま作業ができるのが理想です。
一点注意が必要ななのは、いい姿勢であれば何時間でも同じ姿勢をとっていいというのは間違いです。
30分に1度2分程度体を動かすのがおすすめです。
何もハードな運動である必要はありません。
立ちすわりをしたり、少しトイレに行くだけでも十分です。
もしそれが難しい職場であるのなら、座るバリエーションを増やすというのも必要な方法です。
足を組むのは体がゆがむので、悪いと考えがちですが、足を組むのも一つの方法です。
ずっと足を組み続けないならば、それほど避ける必要はありません。
むしろ左右バランスよく行うことがおすすめです。
そのほかにも片足をお尻の下に入れてみたり、半分椅子から外れてみたりと、座り方にもさまざまなバリエーションがあります。
そのようにして、姿勢を変えていくことで、適度に筋肉に力が入り、血流を上げ、体の状態を良好に保つことができます。
1)van der Ploeg HP, Chey T, Korda RJ, Banks E, Bauman A. Sitting time and all-cause mortality risk in 222 497 Australian adults. Arch Intern Med, 2012; 172: 494-500.
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