骨盤矯正には意味がない？
骨盤矯正という言葉には、意味がないといえるでしょう。
実際に骨盤は靭帯により強力に結びついており、簡単にはゆがみません。
多くの場合は、骨盤の上下の関節、股関節や背骨の問題であることが多いです。
しかしながら、骨盤矯正という名前で提供される施術は、骨盤のゆがみを変えることはありませんが、体のバランスを整える効果があるものも多いので、腰痛などの症状を改善することもあります。
骨盤矯正という言葉を使っている業者が正しい医療的な知識をもとにサービスを提供しているかが一番重要なことといえるでしょう。
骨盤矯正って何？
「腰の痛みの原因は骨盤のゆがみから来ていますね。」
接骨院や整体院では、そのような理由付けから骨盤矯正という治療メニューを提供するところが増えています。
産後の骨盤のゆがみなどにも効果的といわれています。
テレビや雑誌などのメディアでも紹介されることが多くなり、一般的な治療法になってきていますよね。
そもそも骨盤矯正とはどのようなものなのでしょうか？
一般的には、骨盤矯正とは手技を用いて骨盤のゆがみやずれを矯正する治療法と考えられています。
しかし、医学用語で骨盤矯正というものもありません。
骨盤の解剖学的な特徴とは
そもそも骨盤じたいのゆがみをどのようにとらえるかというのも難しい問題です。
よく、あおむけに横になったときに、足の長さに左右差があることを理由に体のゆがみがあると指摘するケースがありますが、それは骨盤が歪んでいるというよりも、脊柱が側屈しているケースがほとんどです。
骨盤自体は、簡単にゆがむものではありません。
骨盤は仙椎が癒合してできた仙骨と腸骨・座骨・恥骨が癒合して構成される寛骨から構成されています。
癒合している骨はほぼ一つの骨としてみても問題ないくらいつながっており、寛骨と仙骨も靭帯によって強力に固定されています。
腸骨と仙骨の間で構成される仙腸関節は動く関節といわれていますが、うごいても１、２ｍｍの範疇といわれています。
靭帯で強力に結び付けられているので、人の力で動かすことは難しいといえるでしょう。
骨盤矯正を受けてよくなる人もいる
しかしながら、骨盤矯正を受けて症状が軽くなるという人がいるのも事実です。
それは、骨盤矯正というサービスの名前で骨盤を矯正するのではなく、周りの組織の治療をしているからではないかと思います。
症状がよくなることはいいことですが、問題点もあります。
それは、正しい患者教育が難しいことです。
そもそも、骨盤のゆがみを解消することによって、腰痛がよくなったり、太りやすい体が改善したりといった説明では、毎回骨盤矯正を受けざるを得なくなってしまいます。
正しい、生活習慣を取り戻すことや運動の重要性が薄らいでしまします。
そのような、説明を行っているセラピストが正しい医療知識に基づいてサービスを提供しているのかは考えていく必要がありそうです。
メリットとリスクを比較して検討しよう
骨盤矯正自体は、正しい医療知識がある人であればそのような用語は使わないでしょう。
しかしながら、その単語のインパクトの強さや集客力を考えると、使わざるを得ない状態にあるというのも一定の事実ではないかと思います。
実際に症状がよくなることも多いので、それらの治療法には一定のメリットがあることも間違いありません。
最近多い問題では、骨盤療法は自費診療となりますので、高額の回数券などを売りつけるケースがあります。
そのような業者には注意をする必要があるでしょう。
まとめ
骨盤矯正は意味がないということはないでしょう。
しかし、実際に行われているのは、骨盤を矯正しているのではなく、周りの筋肉や軟部組織の状態をよくしているものが大半です。
セラピストが正しい知識を有していない場合、体を痛めることにもつながりますので注意が必要です。
しっかりとした医学的な知識を有している治療院で施術を受けることが重要です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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