メンタルの話を最近続けてきました。
姿勢だったり、食事やホルモンバランスの影響によってメンタルに影響を与えるというお話ですね。
その中で、睡眠の話も出てきたのですが、今回は睡眠とメンタルの話をもう少し掘り下げていきたいと思います。
睡眠とメンタルの関係性について
メンタルヘルスの代表例はうつでしょう。
現代では15人に1人はうつ病を経験するとされています。
同じクラスの2,3人がうつ病になってしまうというような状況ですね。
欧米よりはうつ病になる人の割合は低いらしいんですけど、それでもなかなかの割合ですよね。
そして、うつ病患者の77%~90%の人に睡眠障害が出ていると報告されています。
睡眠障害の症状としては、
- なかなか寝付けない(入眠困難)
- 夜中に目が覚めてしまう(中途覚醒)
- 予定よりも早く目が覚めてしまって、その後寝付けない(早朝覚醒)
といった症状が多いようです。
メンタルの不調が睡眠に影響を与えるというのは間違いがなさそうですね。
睡眠の重要性と効果
では、逆方向で考えてみましょう。
精神が睡眠に影響を与えるのは間違いないようですが、逆に睡眠が精神に影響を与えることはあるのでしょうか。
ありそうな気はしますけど、具体的にどのようなメカニズムによっておこるのかを見ていきましょう。
睡眠によってバランスが保たれるホルモンに「コルチゾール」というものがあります。
コルチゾールはストレスを感じたときに分泌されます。
睡眠によって分泌量が調整され、イライラ感や憂鬱感を減少させます。
逆に十分な睡眠がとれていない状況では、コルチゾールが体にたまっていき、ストレス感が身体に残ってしまうということですね。
睡眠不足の人は感情が不安定になりやすいという報告もされており、睡眠不足が感情にのコントロールに影響するという裏付けとなっています。
睡眠障害とメンタルヘルス
日本人の睡眠時間は世界から見ても短いです。
しかしながら、鬱の割合は睡眠をしっかりととっている欧米よりも少ないというのは興味深い報告です。
別のデータを引用すると、自殺者の割合を見ると、日本の自殺者数は世界でもトップクラスです。
そして、欧米の数よりも多くなっています。
このデータから見ると、もしかしたら何らかのメンタルヘルスを抱えていても、把握されていない人の数も多いのかもしれませんね。
睡眠の影響は、一部でしかありませんが、睡眠時間が短い状態を改善することができれば、もうちょっと何とかなるのかもしれません。
希望的な観測ではありますが。
睡眠改善のためのアドバイス
それでは、睡眠を改善するためにはどうしたらいいのでしょう。
特にメンタルヘルスを抱えている人は、どうするのがいいのでしょうか。
まずは、しっかりと医療機関を受診することをお勧めします。
医師の判断のもと、厳しい状況であれば睡眠薬なども積極的に活用するのがいいと思います。
睡眠薬は脳を強制的に休ませます。
ところが、休ませる部位が脳の表面の部分なので、長期的には睡眠不足の状態が続くという報告もありますので、治療を進めていく中で生活の見直しを進めていくことは必須ですね。
急に薬を減らすと、離脱症状といって体に不快感が生じることもありますので、ゆっくりと時間をかけて減らしていく必要があります。
睡眠を改善していくうえでおススメしたいのは、軽い運動です。
脳の神経をゆっくりと変えていく必要があると考えています。
神経は使えば使うほど、反応しやすくなるという性質を持っています。
なので、感覚を働かせる、つまり受け身の神経ばかり使っているとそこの神経が過度に働いてしまいます。
現代では、体を動かす頻度が著しく減っていると思います。
能動的な神経、いわゆる運動神経をしっかりと働かせてあげることで、脳の中のバランスが保たれます。
ここでいう運動神経は、一般的に言われている、運動神経がいい、悪いの運動神経ではなく、筋肉を動かすための神経のことを指しています。
学校の体育でやるような運動でなくても構いません。
軽いウォーキングやストレッチなど、自分で自分の体を動かすということが重要です。
体自体を疲労させてあげること、そして脳自体を整えてあげることにより、睡眠も整っていくのではないかと考えています。
まずは、簡単に体を意識的に動かしてみてはいかがでしょうか。
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